「倫理観」の意味とは?道徳観との違い/倫理観が欠如してる人の特徴を解説

「倫理観」とは何か、意味をご存知ですか?本記事では、倫理観の意味や言葉の使い方、倫理観と道徳観の違いを解説!さらには、倫理観がない人の特徴、欠如してしまう原因から、倫理観を高めるための方法やおすすめの本までお教えします。正しい考え方を持ち社会人として正しい行いをしていきましょう。

そもそも「倫理観」とは?詳しい意味を解説

倫理観の意味

「倫理観とは何か」と考えた時、よく耳にする言葉ではありますが、深く考えてみるとどういうものなのかあまりよく分からないという方も多いはず。

倫理観とは、倫理についての考え方や視点であり、倫理とは仲間内での守るべき決まり事や人として守るべき道などを意味します。

つまり、倫理観とは、自分や他者の言動の良し悪しや正否を判断するために社会で共有されたモノサシです。

具体的に言うと、医療や介護、教育などに従事する人は高い倫理観を求められます。

例えば、日本看護協会は「看護者の倫理綱領」を定めて看護師の行動指針を示しており、看護師は自分が行った看護活動が指針に照らしてどうであったかを振り返ることを求められます。


「倫理観」の使い方/例文は何がある?

続いて、倫理観とはどのような場面でどのような使い方がされる言葉なのか、例文を紹介しながら解説します。

概念だけではやや難しく、いま一つはっきり理解しづらいかもしれませんが、使い方と合わせて見ることでニュアンスが感じ取れるはず。

具体例を読んで、倫理観とは何かについて理解をしっかり深めましょう。


どう使うの?「倫理観」を使った例文

大手企業の不正会計が明るみに出た時などで、「経営陣の倫理観を疑わざるをえない」といったコメントをテレビやネットのニュースで目にする機会もありますよね。

企業は規模が大きくなればなるほど、投資家や従業員、取引先などの利害関係者が多くなり、社会の公器としての性格が強くなります。

そして、その経営陣には自分たちにとって都合の悪い情報でも公正に開示する高い倫理観を求められるのです。

他にも、科学者だって高い倫理観を求められることがあります。科学技術の発展によって人間のクローンを作ることも技術的には不可能ではなくなりつつありますが、倫理的な問題をはらむヒトのクローンの作成は法律によっても禁じられています。


「倫理観」の類語とは?

倫理観と一部意味が重なる言葉として「モラル」、「マナー」、「良心」、「正義感」、「道徳観」などがあります。

例えばモラルには「公共の場所でのスマートフォンの使用は個々のモラルに委ねられる」などのように、個人の中にある基準に基づいて良し悪しを判定しているため、倫理観とは少し違った意味合いの使い方をされます。

また、「マナー」は失礼のない礼儀作法など外目から見て分かる立ち振る舞いのことです。良心や正義感も個人の感覚が価値基準になっている点が倫理観との違いといえるでしょう。


「倫理観」と「道徳観」は何が違うの?

倫理観の類語の中でも、最も間違えられる似た言葉として「道徳観」があります。

道徳観とは、個人や小さな集団の基準に基づいてものごとの良し悪しなどを判断する物の見方です。

倫理観と道徳観では、ものごとの良し悪しを判断する基準が大きな集団(社会など)で定められたものであるか、小さな集団(個人)で共有されたものであるかという点が違っています。

つまり、倫理観とは社会全体や大きな集団で共有されるものであり、道徳観とは個人や小さな集団で用いられるものなので、同じ意味合いでも規模の大きさが違うと理解しておきましょう。


倫理観がないってどんな人?倫理観が欠如している人の特徴6つ

倫理観について意味を詳しく理解したところで、倫理観がない人の特徴を見ていきましょう。

どういう行動をとる人は倫理観がないのか、どういう行動をとってしまうと倫理観がない人と思われてしまうのかをまとめています。

人を見る目を養うため、また、人から誤解を招かないように自分の言動を正すためにも役立ててくださいね。


倫理観がない人1. 嘘をつき、人を騙し入れる

自分の目的を果たすためや利益を得るために他人を騙す人は倫理観が欠如しています。ただし、ここで誤解してはいけないところが、嘘をつくこと自体が悪いわけではありません。

迷子を保護して「すぐにお母さんが迎えに来てくれるからね」と言って子どもを安心させてあげるのは、「すぐ迎えに来てくれる」確証がなくても悪い嘘ではないでしょう。

倫理観が欠如している人は、自分の利益のために平気で人を騙して利用する人を指します。

【参考記事】はこちら▽


倫理観がない人2. 自己中心的で、考えを相手に押し付ける

他人が自分の思い通りにならないと不満を感じるのも倫理観の低い人の特徴です。

他人は自分とは違う考えを持っているし、違う目的を持っているかもしれないと分かっていても、自分の希望通りに人や物事が進まないのが面白くないのです。

周りの人全てに自分の意見を受け入れさせようとする人は倫理観が欠如しています。

【参考記事】はこちら▽


周囲と関係が上手く行かないためトラブルが多い傾向に。

倫理観のない人は、自分と他人の意見が衝突した時に、意見を擦り合わせようとしたり、妥協したりしようとしません。いつも自己中心的に振る舞って、その結果相手の反発を招き、問題を起こすのです。

トラブルが多くて周囲の人との人間関係をうまく築けないということで、倫理観が欠如した人を見破れることもあります。


倫理観がない人3. マナー違反をしたり、組織のルールを守らない

社会や集団で守るべきと見なされているルールやマナーを知らないか、知っていても守る気がない人も倫理観が欠如していると言えます。

タバコの吸い殻をポイ捨てする人は、それが悪いことだと思っていないか、悪い事だと思っていても別に構わないと考えているわけです。

ルールやマナーを破っても平然としている人は、そもそも規範を守ろうという意識が希薄な人で、倫理観が欠如しているといえます。


倫理観がない人4. 感情の起伏が激しく、周囲を振り回す

他人の感情を考慮せず自分の感情だけに従って行動するのも倫理観の低い人の特徴です。

自分にとって嫌なことがあると周囲に当たり散らしたり、悲しいことがあると慰めるように仕向たりするため、周囲の人間は振り回されて疲れてしまいます。

このように、自分ファーストの姿勢を露骨に表して周囲の人を不愉快にさせるのが倫理観のない人の特徴といえるでしょう。

【参考記事】はこちら▽


倫理観がない人5. 相手の気持ちを考えず、傷つくような言葉を吐く

多くの人が「これを言ったら相手は傷つくだろうな」と想像できることが、世間一般の基準を知らない倫理観の低い人には分からないことがあります。

言っていいことと悪いことの区別がつきづらく、相手を傷つけないようにという配慮ができないのです。

平気で人を傷つけるようなことを言う人は倫理感のない人と見ていいでしょう。


倫理観がない人6. 自身の利益のためであれば手段を選ばない

お金や地位、名誉を得るためなら、少々あくどいやり方をしてもいいと考えるのも倫理観のない人の特徴です。バレたら人から非難されるようなやり口だったとしても、人にバレなければ問題ないと考えるのです。

良心がとがめるということがないため、欲しいものは手段を選ばず手にいれようとするのが倫理観のない人の行動パターンです。


恋愛においても不倫関係になりやすい

倫理観のない人は誰かを裏切るということにあまり抵抗がありません。ことの善悪をあまり考えませんし、考えたとしても「悪いことをしてはいけない」という自制心よりも、楽しくなりたいという欲求が上回りがちです。

たとえ自分や相手が結婚していても、パートナーにバレなければ問題ないと考えますから不倫関係に走りやすいのです。

【参考記事】はこちら▽


倫理観がない原因とは?倫理観が欠如する理由を解説!

人は生まれた時から倫理観がないわけではありません。では、どうして倫理観が欠如してしまったのでしょうか?

その理由として5つの原因があるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。自分の周りにいるちょっと失礼な人に当てはまっているかもしれませんよ。


倫理観がない原因1. 生まれ育った環境によるもの

倫理観は生まれつき持ち合わせるものではなく、成長とともに獲得していくものです。成長に必要な環境が得られないと自分の中で倫理観を育てられずに成長してしまう可能性があります。

両親から虐待を受けたり、小さい頃にイジメを受けたりなどのトラウマが原因となって自暴自棄になっている場合や、貞操観念が低くなって倫理観が欠如してしまっているケースがあります。


倫理観がない原因2. 現状に不満を抱いており、ストレスを抱えている

人の心はストレスや抑圧を受けると、それを解消しようとします。その結果、周囲に対して攻撃的になったり、周囲の人の感情を無視した行動を衝動的に取ってしまったりする場合があります。

自分をとりまく環境に何かしらの不満があると、ストレスを発散させるために倫理観の欠如した行動をとってしまうことがあるのです。


倫理観がない原因3. 感情表現が苦手

人間関係を作るのが苦手で一見取っつきにくい人は、中々周囲の人から好感をもってもらいにくいものです。

承認欲求が満たされないために人目を引くような行動をつい取ってしまうのは、小さな子どもが駄々をこねる姿を思い浮かべれば理解しやすいのではないでしょうか。

感情表現が下手なために倫理感のない人と見なされている場合もあります。


倫理観がない原因4. インターネットやSNSの普及によるもの

倫理観のない言動をすることに慣れてしまうと、その傾向がますます進んでしまいかねません。

というのも、実生活なら人を攻撃するような言動は誰かが止めてくれるかもしれませんが、個人が特定されづらいインターネット上では制止する力があまり働きません。

インターネットやSNSでの過激な言論に強く影響されてしまうと、実生活でも倫理観のない振る舞いをしてしまうようになる恐れがあります。


倫理観がない原因5. 倫理観がない人同士でつるんでいる

自分の周囲に倫理観の欠如した人が多いと、それが普通と受け止められるようになってしまいます。倫理観は社会や集団で共有するものですから、良くも悪くも、必ず周囲の影響を受けます。

倫理観のない人同士で集団を作っていると、お互いに倫理観のなさを補強しあうようになってしまいますので、ますます倫理観の欠如が深刻になっていってしまうでしょう。


倫理観を高めるには?倫理観のある人になる4つの方法

倫理観は総じて持っていて越したことはありません。では、倫理観を高めるためにどんなことをするのが良いのでしょうか。

倫理観とは、社会や集団など自分ではない外部の人間とどう関わっていくかを考えたときに必要になる視点です。自分の言動がどう見られるか、周りの視線を意識する必要がありますよ。


倫理観を高める方法1. 自分を客観的に分析する習慣をつける

まずは自分の言動と、社会的に求められている振る舞いにどのくらいの差があるかを認識しましょう。

倫理観とは社会が求めてくるものです。自分の中の基準にだけ従って自分の言動の良し悪しを判断していると、社会と自分の認識にズレがあるかもしれません。

客観的に自分の行動を振り返ってみることで、改善すべき点などが見つかることもあります。


倫理観を高める方法2. 倫理観が高いと思える人と一緒に時間を過ごす

倫理観を高めるには、社会的に良いとされている習慣や考え方に触れるのが一番の早道です。

倫理観とは、法律のようにどこかにはっきりと書いてあるものではありません。どういう行動が倫理的に問題があるのかは感覚を磨くしかないのです。

倫理的に優れている人の立ち居振る舞いをよく観察して真似することを続けていけば、徐々に倫理感を高めていけます。


倫理観を高める方法3. ストレスの原因を突き止め改善する

ストレスが溜まってしまうと、そのストレスを解消するために不適切な振る舞いをしてしまう恐れがあります。

その場合は、根本的な原因であるストレスの元を解消しましょう。不満に思うことや不安の原因が取り除かれればストレスが軽減されるはずです。

問題を解決できれば倫理観の低い言動が自然と減っていくことでしょう。


健康的な生活を送る事を心がける

ストレスを溜めないためには、まずは体を健康に保ちましょう。

病気をしたり、肩コリや腰痛などの不調が慢性化したりしていると、思い通りに体が動かせませんし、日常生活にも不便を感じてストレスが溜まってしまいます。

食生活に気をつけて適度な運動をして健康を保てるようにすれば、ストレスの元を減らしていけるはずです。


同時にストレスの発散方法を見直す

生活をしていて全くストレスを感じないということはないでしょう。重要なのは、ストレスをいかに発散させるかということです。

趣味や運動などで気分転換ができると上手にストレスが発散できます。そうした趣味などを習慣づけられれば定期的にストレスを発散できるようになり、倫理観の低い行動を衝動的にとってしまうことを減らせるでしょう。


倫理観を高める方法4. 周囲に感謝の気持ちを持ち、言葉にする

お世話になったらお礼を言うという行動は、それ自体が倫理的な行動ですが、この行動にはもう人つの意味があります。人間は、自分の言った言葉からも影響を受けます。

ちょっとしたことにも丁寧にお礼を言うことを続けていけば、自分の言った「ありがとう」という言葉に影響されて、ちょっとしたことへの感謝の気持ちと他の人を思いやる気持ちが芽生えるのです。


倫理観を養うために読んで欲しいおすすめの本3選

最後は、倫理観を養うために読んでおきたいおすすめの本を3冊紹介します。

どんな人におすすめかということに加えて、なぜおすすめなのかも解説するので、一番自分に合っていそうだと思えたものを手にとってみてください。


おすすめの本1. 『生き方』稲盛和夫(著)

生き方―人間として一番大切なこと

京セラやKDDIという日本を代表するような企業を作り上げた経営者の自伝的な著作です。本の中では、利他の精神の重要性について触れられています。

自分が所属するチームや部署、あるいは会社を助けるために、他のチームや部署、社会を犠牲にしても良いとする考え方は利他的と言えるかもしれません。

しかし、より広い視野でみるとそれは「自分たち」を守る行動であり、利己的と言わざるをえないでしょう。

組織のために行ったことが世間の目から見たときに「不祥事」と映ってしまうことがあることには多くの例があります。自分と社会との関わり方を捉えなおせる良書であり、そうした点を考えてみたいビジネスマンにおすすめの本です。


おすすめの本2. 『これからの「正義」の話をしよう』マイケル サンデル(著)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ハーバード大学の哲学講義「JUSTICE」を収録した世界的ベストセラーです。多くの哲学者や倫理学者が論じてきたことを下敷きに、興味深い例に置き換えて問題を提起しています。

様々な問題を倫理的にどう考えるかという練習になり、倫理観とは何かという根本的な問いに立ち返るという使い方もできる良書。

いろいろな倫理的考え方に触れてみたい方におすすめです。


おすすめの本3. 『超訳 ニーチェの言葉』白取 春彦(翻訳)

超訳 ニーチェの言葉

哲学者ニーチェの言葉を元にした著者による自己啓発書という位置づけの本です。

ニーチェは自制心をもつこと、自律することの大切さと、そうして自分の意思で自分をコントロールすることがやがて大きな成功に結びつくと説いています。

つい衝動に流されて倫理観のない行動をとってしまうという方は読んでみる価値があるのではないでしょうか。


倫理観を持って、人の道を外れないようにしてくださいね。

倫理観とは物事の良し悪しを判断する基準を意味します。その基準が大きな集団で用いられるか、小さな集団で用いられるかで、道徳観とは違った使い方をされます。

倫理観とは何かという問いに具体的な答えはありません。しかし、倫理観を高めるには一定のやり方があることは記事の中で解説したので、周囲の人から倫理観の高い人と見てもらえるように工夫してみてくださいね。


【参考記事】はこちら▽

お気に入り

注目の記事

関連する記事